たった7日間で恋人になる方法
そうか…美園は、誤解してるんだ。
だってそれは、この先に…私と拓真君のリアルな恋愛に、続きがあると思っているからの発言。
美園からしたら、昨夜の…偽りの恋人モードな私達を見た後で、こんな風に二人の間に何かあったかのような証拠まで見せられたら、そういった誤解をするのは、当たり前かもしれない。
『えっと…ごめん、美園』
両手でマイボトルを包みつつ、なるべく明るめに答えた。
『実は…その必要はないんだ』
『必要無い?』
『拓真君…ううん、時枝君とは、何でもないから』
『どういうことよ、何でもないって…』
『仮初めの恋人役は、元々一週間の約束だったし、昨日でそれもおしまいだからね…今日からは今まで通り、ただの同僚ってことで』
無理矢理作った笑顔は、中途半端に歪み、美園には簡単に見破られる。
『ちょっと、何言ってるのよ?』
すべてを言葉に出さなくても、美園の言いたいことが伝わり、その攻めるような視線から逃れるようにベンチから立ち上がった。