たった7日間で恋人になる方法
『そっか…確かに、時枝君、職場では女性を避けてるもんね』
『…はい』
『やっぱり男性が好きだと、女性は苦手になっちゃうものなの?』
『苦手っていうより…』
一旦、言葉に詰まり、少し大げさなくらいアンニュイな視線を落とすと
『女性は僕みたいなの…やっぱり嫌でしょうから』
『そんなこと…』
”ない”と答えようとしたら、そのタイミングでちょうど運悪く飲み物が運ばれてきて、会話が立ち切れてしまった。
実際には、職場の女性陣の間での時枝君の印象は、あまり良いものじゃなく、どう見られているかの彼の考察は、あながち大きく外れてはいなかった。
『とりあえず、乾杯しよっか?』
店員が去り、再び二人になると、気まずくなった空気を払うように、『お疲れ様です』と、グラスを合わせる。
互いに、それぞれの飲み物で喉を潤し、一旦冷静さを取り戻した。
『少し、ホッとしてるのかもしれない…』
時枝君がポツリとつぶやいた。
『僕の方にしたら、例の件知られちゃったから、もう変に隠す必要もないし、森野さんも普通に接してくれるから、何となく素の自分でいられるのかも』
半分まで飲んだジョッキを包むように握り、愁いの帯びた声でそういうと、手元に視線を落とす。
なんか、わかる気がした。