たった7日間で恋人になる方法

『それなら良かった、特別に話し方は意識して変えなくても大丈夫そうだよね?時枝君は、普通に違和感なく男性っぽく話せてるし…』
『その辺は大丈夫だと思います』
『しいて言えば、琉星は自分のこと「僕」じゃなくて「俺」って言うけど…』
『「俺」…ですか』
『ううん、それは無理しなくていいよ、別に琉星と同じにする必要はないしね』
『でも…それくらいであれば、ちょっと努力はしてみます』

時枝君は、空っぽになったジョッキに気が付き、店員を呼ぶと、サワーを一杯頼み、ついでに私も、もう一杯ウーロン茶を頼む。

飲み物が来る間に、今現在の琉星との関係を思い起こしながら、次の問題を提示する。

『時枝君、ここからはちょっと…ううん、かなり努力が必要なのだけど…』
『?…何でしょう?』
『恋人同士って、稀に最初は仕事上とか年齢の差とかで、どちらかが敬語だったりするケースがあるんだけど、お付き合いして親しくなればなるほど、そういうのは無くなるものなのよ』
『なるほど』
『ちなみに、時枝君って、社会人になって何年目なの?』
『確か…3年ですね』

うちに入社する前の仕事も含めて、大学出て3年っていうと、今…23、24…。

『なんだ私と同じ歳じゃない?敬語で話すからてっきり歳下だと思ってた』
『あれ?…えっと、そう?なりますか…』
『うーん、でも確かに入社は私の方が早いし、時枝君はその言葉遣いで慣れてるから、少し難しいと思うけど…』

一旦言い淀み、間を置いてから、一気に口に出す。
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