たった7日間で恋人になる方法

お店に来てから、1時間を過ぎ、お互いに状況を理解して、ある程度打ち解けたところで、時枝君に問われる。

『…で、僕は具体的にどうすればいいのでしょう?』

どちらにしても、残るのは今日を入れても、当日まで5日間。

実際、のんびりはしていられない。

昨夜、これから当日までの計画はじっくり練ってきていたのだから、とりあえず、本日”火曜日”までに実行しなければならないことを、頭に描く。

『昨日も言ったんだけど、恋人って言っても、琉星とはもう結婚の話も出てるくらいだから…』
『交際1年…と言ってましたね?』
『そう…だから、それなりに落ち着いてなきゃおかしいの』
『…すみません、僕にはそれくらい付き合った恋人がどういう感じかがわからないので、ご指南してもらえたら、そのようにします』

確かに、そういった経験がゼロに違いない時枝君に、察して演じるのは難しいに違いない。

…と言ったところで、実際には私も現実世界の恋愛経験は同じくゼロなのだから、後は過去のゲーム内での恋愛遍歴と、琉星とのこの一年間で得た、バーチャルな恋愛知識をフルに生かして、思い描いている恋人像に近づくしかない。

『先ずは、言葉遣い…かな』
『言葉使い…』
『そういえば、時枝君って、お姉言葉?じゃないのね?』
『えっ、ああ…それは、あれですよ…僕は、その…男として男性が好きなので…いわゆるオカマさんとかニューハーフさんとは違うんです』

何故か時枝君は、強く同性愛(ホモセクシャリティ)であることを主張する。

確かにそれならば、女性のような話し言葉にならなくてもおかしくはない。
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