みだらな天使
朔がルームキーをドアに差し込むと、カチャンと音がした。
先に部屋の中に入った朔が、振り返りながら左手を私の前に差し出した。
「…どうぞ、お嬢様。」
「お、お嬢様って…」
私はお嬢様なんてガラじゃない。
だけど今この時、この瞬間だけは…
このドレスと、このメイクと、この目の前の無駄にかっこいいこの男のおかげで、私もお嬢様になれるのかな。
差し出された手の平に、自分の手をそっと乗せる。
すると…
「キャッ…」
グイッと引っ張られたかと思えば、あっという間に朔の腕の中にいた。
そのままギュッと力強く、抱きしめられる。
朔の、トクントクンと鳴る心臓の音が、心地よい。
先に部屋の中に入った朔が、振り返りながら左手を私の前に差し出した。
「…どうぞ、お嬢様。」
「お、お嬢様って…」
私はお嬢様なんてガラじゃない。
だけど今この時、この瞬間だけは…
このドレスと、このメイクと、この目の前の無駄にかっこいいこの男のおかげで、私もお嬢様になれるのかな。
差し出された手の平に、自分の手をそっと乗せる。
すると…
「キャッ…」
グイッと引っ張られたかと思えば、あっという間に朔の腕の中にいた。
そのままギュッと力強く、抱きしめられる。
朔の、トクントクンと鳴る心臓の音が、心地よい。