みだらな天使
校門まで走ると、外に大きな車が停まっていた。



「七海さんっ。」




窓の外から覗くと、七海さんが気づいてドアを開けてくれた。





「急がせちゃった?ごめんねー。」




そんな七海さんの声を聞きながら後部座席に座ろうとすると…




「朔…」




真っ赤な顔して苦しそうに眠っている朔の姿が。




マスクをしているけど、顔が真っ赤なのがわかる。




「やっぱり…」




そう呟いた私に対し、七海さんが車を走らせながら言った。





「奏ちゃんからメールもらって、その後出勤してきた朔見てもさ、双子でもわからないくらいコイツ体調悪いこと隠しててね。奏ちゃんが教えてくれなかったら、朔が倒れるまで私、気づかなかったよ。」




「え、朔倒れたんですか!?」





七海さんの言葉に、不安が増す。


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