みだらな天使

「朝はまだ良かったんだけどね。お昼過ぎに、社長室から全然出てこないと思って覗いたら、この状態だった。」




七海さんにため息交じりでそう言われ、横で眠る朔のおでこに触れると…




「熱い…」




すごく汗をかいているし、おそらく相当な熱だと思われる。




「あの、病院行かなくて大丈夫ですか?」




「うーん…それよりも休ませてやって。朔、昔から病院大っ嫌いだから。」




そう言って笑う七海さんは、双子とはいえ、やっぱり朔のお姉さんって感じがした。






「それにしても、奏ちゃん、よく朔の体調不良見抜いたねー。なんでわかったの?」







「………え゛…??」







い、言えない…。




毎朝、行ってきますのキスをしてるだなんて…





そのキスの時の唇の熱が、いつもより高かってんです、だなんて…








言えない…!!




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