みだらな天使

「よっっっこらしょっとお!!」




七海さんの気合と共に、ベッドにバフッと投げ出された朔。




少々乱暴な運び方だったけど、無事に朔を連れて帰ってこられた。





「じゃあ、私まだ仕事あるから。何かあったらメールしてね。よろしくね!」





「ありがとうございました。」




風のように去っていった七海さんを見送り、部屋に戻る。




まずはスーツを脱がせて、おでこ冷やした方がいいよね。




依然として、マスクの下でハァハァと苦しそうな呼吸をしながら眠っている朔のジャケットを脱がせ、ネクタイを緩める。




シャツのボタンを開けると、鍛えられた胸板が現れる。





熱による発汗で、胸板が濡れていて…





…って、私こんな時に何考えてるの!?





目のやり場にかなり困るけど、何とか看病しなければ。




汗で体が冷えちゃうといけないから、タオルで拭いてあげないと…。





こんな時にかなり不謹慎だけど…






愛しい人の看病は、困難極まりない。


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