みだらな天使
しばらくすると、スースーと呼吸が落ち着いてきたので、おかゆを作るためにキッチンに向かった。




おかゆを作りながら、ふと自分が体調を崩した時のことを思い出した。





母に捨てられてから間も無くのことだった。





寒くて寒くて、どうしようもなく寒気がして。




ようやく孤独に慣れてきた頃に、熱を出して。





ひどく寂しくなったことを思い出した。





あの時は、三日間くらい何も食べられず、熱が下がるのをただただベッドの中で過ごしていた。




もし今、私が熱を出したのなら…





朔は、優しく私を看病してくれるのかな。





そしたら、孤独を感じることなく、ゆっくりと眠れるのかな。



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