みだらな天使

朔はゴホゴホと咳をしながらも、私を安心させようと、明るく振舞おうとしていた。





「ね、朔…もう少し寝てたら?それとも、お腹空いてるなら、たまご粥作ったけど食べる?」





こんな時まで、私を気遣おうとしてくれる朔の姿が、嬉しい反面、申し訳なく感じる。




「じゃあ…少しもらえる?」




「うん。待ってて。」




たまご粥を少しだけよそって、寝室のテーブルまで運ぶ。





その間に、朔はしんどそうに目を閉じていた。





「…朔?」




声をかけると、ゆっくりと目を開けて力無く笑う朔。





そんな朔に、私は俯きながら言った。



< 93 / 147 >

この作品をシェア

pagetop