みだらな天使
朔はゴホゴホと咳をしながらも、私を安心させようと、明るく振舞おうとしていた。
「ね、朔…もう少し寝てたら?それとも、お腹空いてるなら、たまご粥作ったけど食べる?」
こんな時まで、私を気遣おうとしてくれる朔の姿が、嬉しい反面、申し訳なく感じる。
「じゃあ…少しもらえる?」
「うん。待ってて。」
たまご粥を少しだけよそって、寝室のテーブルまで運ぶ。
その間に、朔はしんどそうに目を閉じていた。
「…朔?」
声をかけると、ゆっくりと目を開けて力無く笑う朔。
そんな朔に、私は俯きながら言った。