恋は甘い蜜の味
あれから数時間後。
大宴会は終わったらしくご丁寧にリビングを片付けた静乃とそのお友達は「カラオケに行く」などと言って出ていってしまった。
「…先生達が見回りしてたらどーするんだか。」
なんて私の独り言は虚しく空気と一緒に流れていっちゃった。
することもなくなっちゃったしお風呂に入った後、ソファーに座って缶ビールを飲みながらDVDを観てたらやっと静乃が帰ってきた。
「お姉ちゃん、まだ起きてたのー?」
「静乃、アンタ今何時だと思ってるの?明日から一週間外出禁止だからね」
え~!?、なんて叫んでる静乃を無視してテレビを切れば「おやすみ」と言い残して部屋に戻った。
「……あ。」
部屋の扉を開けたら、微かだけど仁君の香りが残ってて…
彼がここにいたって証拠が、私をなんとも言えない気持ちにさせた。
私のベッドに座ってたんだ…
そう思うだけで、顔が真っ赤になっていくのが分かった。
「っ、違う、これはビール飲んだせいなんだから!」
そう自分に言い聞かせるように叫んだ後ベッドに潜り込んだ私は、この変な気持ちを紛らわすために目を閉じ、深い眠りへと落ちた。