だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「NO SEXUAL」


「・・・あっ?」


「高いワイン楽しみなので逆上せる様な事は今しません」


「さっきまで気持ち良かっただのなんの言ってた癖に?俺より酒?」


「酒です」


「っ〜〜なら、」


「っ___!?」


「グダグダしてないで入れ!」



強制連行。


散々煽って肩透かしパターンなんて慣れてないけど慣れっこだ。


『もどかしい』とか『焦れったい』とか諸々の感情事亜豆を強引に抱えあげると湯気に満ちた浴室へ。


そのまま戸惑いに満ちている姿を雑に湯船に落とせば、せっかく溜めた湯がだいぶ減った様な水しぶきをあげる。


そんな水しぶきに少しは不満解消だとニッと口の端を上げて、湯船で放心状態の亜豆を見下ろした。



「お湯加減は如何でしょうかね、お嬢様」


「お湯加減は上々ですよ。濡れた下着の違和感半端ないですが」


「水着みたいなもんだろうが」


「張り付き具合が絶妙に気持ち悪いんですよ」


「確かに、」



いきなりの放り込みにはさすがに非難する様な表情や口調で対応する亜豆だけど、こちらとしてはそんな反応がむしろようやく優位に立てたようで満足一色。


ズボンを脱いでボクサー一枚、亜豆と条件同じに湯船に入り始めれば、俺の場所を空ける様に端に身を寄せる姿。


< 100 / 380 >

この作品をシェア

pagetop