だから何ですか?Ⅱ【Memory】
濃密。
でも・・・下手くそ。
それがまた亜豆のキスだと感じてのめり込む要素。
しかも、下手くそながら、必死ながらに歓喜を伝えようと、貪るように唇を重ね、舌を絡めて吸って・・・。
ああ、そうか・・・俺が教えたまま。
それを理解すれば更にまた愛おしいと強く思って、濡れてすべる肌をもどかしいと思いながらしっかり抱きよせ自分もキスに応えていく。
それにしても・・・、
「言葉じゃねぇじゃん」
口づけたままそんな突っ込みを入れながら小さく失笑すれば。
「言葉に変換なんて煩わしい作業すっ飛ばしました」
「キスしながら喋んな、」
「伊万里さんが先です」
「あ、そっか」
喋っている間も唇を離すのが惜しい。
2人してそんな感覚だろうか?
吐息を交え、くぐもった声音で交わす会話はそれすらも愛撫の様な。
そんな感情を更に煽るが如く、
「女子としてみるなら最低。・・・でも、全てに嫉妬する程の彼女からしたら最高すぎて・・・これ以上ないクリスマスプレゼントだったかと」
「お前って・・・本当に狡い感じにデレるのな」
いつだって何かを言った直後にはドライな対応。
それに肩透かしを食らって忘れた頃にデレられるからパンチがデカくて。
見事・・・そんな時間差の甘さに依存症だ。