だから何ですか?Ⅱ【Memory】
自分でも新発見だと驚愕に満ちつつも、これ以上続けたら話が逸れると意識を切り替えフゥッと息を吐く。
「で?本当の話って?」
「今日、秘書課に・・・私に電話ってしました?」
「電話?」
「はい」
「いや、むしろ今まで落ち込んで放心してた俺よ?しかも、用があるなら携帯に連絡するだろうしな」
「・・・ですよねぇ、」
正直、亜豆に連絡を取ろうなんて考えは今の時間まで頭になかった。
とにかく仕事が不採用であった事実に打ちのめされていたわけだし。
そんな電話など全く身に覚えがないと否定すると、多分亜豆もその返しは想定内であったのであろう。
それでも怪訝な表情で遠くを見つめる姿にこちらもつられて方眉を上げて。
「その電話が何?相手が俺を名乗ったって事?」
「いえ、・・・若い男性だったらしいので」
「何でそれが俺になるわけ?」
「私が交流ある人間ってかなり限られるので」
「・・・ふぅん、」
でも、それでも・・・普通それだけの理由で『俺か?』なんて疑うか?
そう思えど、見つめる亜豆はすでに視線を景色に向けて『誰だったんだろ』なんて呟いている。
その姿にこれ以上突っ込むのも野暮なんだろうか?とスッキリしないままに意識を外して吸い終わりの煙草を灰皿で潰した。