だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「・・・定時あがりにロータリー前」
「・・・・はっ?」
不意に響いてきた声には素っ頓狂な声を響かせたと思う。
何?っと立ち去ったと思っていた亜豆の方へと視線を動かせば、扉の前で立ち止まりこちらを振り返って俺を見つめている。
定時?ロータリー?と一瞬把握出来ずに呆けていると、
「デートの待ち合わせです。・・・あ、残念会ですっけ?」
「フッ・・・デートでいいよ」
「じゃあ、デートって事で素直に浮れて残りの仕事終えてきます」
クスリと笑った顔が印象的。
結局最後の最後は見事を俺を上げて終わるのだからやはり亜豆は凄いと思う。
そのまま今度こそ扉の向こうに姿を消した姿に特別名残惜しさはなく、どこかすっきりとした感覚で背伸びした自分の口元は弧を描く。
「・・・お仕事しますか」
ストンとそんな言葉が自然と零れ、ようやくまともに仕事意欲が回復し始めた体を社内に戻そうと歩きだした。