だから何ですか?Ⅱ【Memory】
アレか?
いや、多分アレだろ。
アレしか騒ぎたくなるような存在は俺の視界には見当たらない。
視界に収めた姿は自分からそう遠くない、少し離れた花壇の縁に座って携帯を弄っている。
その姿は座っていても長身だと分かるような足の長さ。
でも印象的なのは些細な風にもさらりと揺れそうなプラチナブロンドの髪。
しっかり被った黒いコートのフードから覗く髪は少し長めなのだろう。
携帯で何を眺めているのかその口元は綺麗な弧を描いていて、それすらも女性陣からしたら魅力的な要素なんだろう。
確認できる双眸の色は、ブルーと言うより水色や灰に近い程淡く綺麗なガラス玉の如く。
年齢はいくつくらいだ?
俺より若く見えるけどまったくその実年齢が読めない。
装いは結構若々しいデザインのコートやパンツなんだけど。
でも色は全身黒。・・・靴も編み上げのハイカットブーツか。
確かにモデルみたいな存在感だと軽く感動も交えて見惚れてしまっていた。
それでも、だからこそ物凄く『なんでここに?』なんて疑問が付きまとう。
だって、・・・ここ、まだ会社の敷地内と言える範囲だし。
用事や目的がなければわざわざこんなところで座っているはずもない。