だから何ですか?Ⅱ【Memory】
誰かの家族?恋人?
一応社員の中には外人だっているわけだし不思議な事じゃない。
それにしても、最近見惚れる程のイケメンによく遭遇するな。なんて、あの大道寺の御曹司様も思いだしながら視線をイケメンから外していけば。
丁度映し込んだ入り口から見慣れた姿がマフラーを押さえながら出てくるところで。
亜豆もすぐに俺を見つけたらしく、視線が絡むとまっすぐにこちらに足を進める。
それに合わせて自分も持っていた携帯をポケットに入れ、近づいてくる姿にゆっくりと歩み寄り始めた。
程々の距離。
普通に声も届く様な距離まで近づいて、亜豆が僅かに口を開き始めたのを捉える。
『お疲れ様』なんていう事務的な響きだろうか?と場所も場所だから予測して、その第一声を待って口元に弧を浮かべた瞬間。
「リオッ___」
横から大きく響いた呼び声は馴染みがない。
予想外のそれは亜豆であっても同じだったらしく、対峙させていた双眸が驚愕に大きく見開かれて『えっ』という声を響かせながら横へと逸れる。
それには俺もならえ。
亜豆だ振り向いた方へと意識を動かしたのに、捉えたい目的の物が予想外にも早くこちらに向かっていたらしく視線とすれ違う様に亜豆に飛びこんでいた。