だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「ねぇ、俺を置いてきぼりに2人で会話しないでよ」



そんな風に戸惑いを割って入ってきたのはクスクス笑い混じりの言葉と、こんな修羅場と言える状況なのにひたすらに楽し気な姿と。


ズイッと身を寄せてきた男から庇って遠ざけるように亜豆を後ろにやって、近寄るなとばかりに威嚇の再開をして睨みつける。


それすらも愉快だとクツリ笑って方眉を上げた姿が、



「もう、だから変質者じゃないってのに」


「いや、人の彼女にいきなりキスぶちかます野郎は変質者だろ」


「人の彼女?・・・誰の彼女?」


「俺の、」


「違うよ、」


「あっ?」


「リオは俺のだもん」



何言ってるの?と、まるでこちらがおかしなことを言っているかのように笑って言葉を投げ返してくる姿には何をどう返せばいいのか。


コレ、いくら『俺の彼女だ』と言い張っても堂々巡りに同じ事を言い返されるんじゃ?と、さすがに理性が『冷静になれ』と突っ込みを入れてくる。


落ち着け俺。


とにかく落ち着け。


そんな念仏を頭で唱えてクールダウンを図り始めたタイミング。



「なんか・・うん・・ちょっと落ち着いたかも」



不意に響いた言葉に反応して、後ろに庇っていた亜豆に視線を動かせばフゥッと息を吐き冷静さを取り戻したような姿がゆっくりと動きを見せて俺の前へ移動する。



< 135 / 380 >

この作品をシェア

pagetop