だから何ですか?Ⅱ【Memory】
マジか・・・コレ。
つまりは・・・亜豆の元彼がライバル社の三ケ月で、こいつが言うには今も亜豆の恋人で、更には仕事に関してもライバルに当たると。
マジかよ・・・。
あり得ない。と見事現実の非情さに不動になっていれば、今のやり取りで俺と三ケ月の因縁を理解したらしい亜豆が驚愕に目を見開き俺と三ケ月を交互に見つめる。
「えっ・・・、もしかして、・・今回の仕事持っていったのって、」
「うん、俺。帰国しての初仕事で見事会社に貢献できたよ。でも小細工なしの真っ向勝負の結果だから仕方ないよね。でも、これからも手抜きなしに負ける気ないから。仕事もプライベートも・・・気を付けないと掻っ攫って行くよ?・・・イマリさん?」
「っ・・・」
フフッと意地悪く笑った顔に瞬発的に危険警報が鳴り響いて体が動いた。
咄嗟に掴んだのは亜豆の腕で、掴まれた亜豆の驚きなんてお構いなしに引き寄せながら三ケ月に挑むように睨みを返して、
「盗られるかよ、」
そう言い残すと足早にその場を去り始める。
ギリギリ歩みと言える歩調、それでも本当は駆け出したいくらいだ。
早く去らないと今はまだ弾き返せる不安がまとわりついてくるようで。
しっかり掴んでいるはずのものが根こそぎ持っていかれそうで。
仕事も・・・亜豆も。