だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「あずっ・・んんっ___」



まだ明かりも灯さ暗がりの玄関先、倒れ込んだ半身を起こしながら非難の口調で強行犯に挑み返せば物の見事な反撃を受けて撃沈。


起こした身を逆戻しの様に押し返す勢いのキスに、俺に跨ってくる重すぎない体重もプラス。


こちらからは拒む気もないというのに、抵抗を許さないと言わんばかりに両頬を包み抑え込まれ。


触れ合った直後からは貪欲に貪ってくる唇の感触には、持ち合わせていた焦りからの憤りも食いつかれているらしく、今残るは驚愕ばかりか。


だって、・・・あれ?


何でこんな事になった?


自分の頭ではこれとは真逆に有無を言わさず亜豆に食らいつく自分という展開が広がっていたというのに。


あまりの驚愕展開に良いのか悪いのか一度頭に冷静さが回帰した。


むしろ今興奮状態にあるのは・・・。



「んっ・・はっ、亜豆っ・・ん___」



我に返り咄嗟に待てをかけて亜豆の身体を軽く押し返すも、一瞬唇が離れ呼吸がまともになっただけですぐに絡み直ってくる。


息が絡み舌が絡み、相変わらず拙い濃密さもいつもなら湧く要素ではあるけれど。


さすがに、お互いが純粋な欲求でのきっかけでない濃密さには入り込めもせず『ちょっと待て!』と、今度は押し返されない力で亜豆の肩を掴んで押し離した。




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