だから何ですか?Ⅱ【Memory】
啄ばんで啄ばみ返されて、そんなお互いを確かめ合うようなキスをしばらく。
啄ばむ遊ぶようなキスであるなら亜豆も余裕があるらしく、競い合うように継続させるから中々終わりが見えず。
途中からお互いにそんな競い合いに『ふっ』と笑う様な息を混ぜ込む。
未だコートも靴もそのままで、明かりもつけない暗く硬く冷たい廊下の上。
さて、どうこの勝負をつけたものかとお互いに引けずに迷っていた頃合いだろうか?
不意に響いた『ぐぅぅぅ』という空腹の響きは俺ではなく亜豆のモノ。
それにお互いが『あっ』と声を響かせた事で唇が離れての引き分け。
そうしてようやくまともに顔を合わせ、亜豆の頬を撫でるように手を這わせれば。
「グッジョブ、私のお腹」
「フハッ・・・確かにな。あ~、俺も腹減った」
「無いとは思いますが、冷蔵庫に何か空腹を補う物ありますか?」
「ん~~・・・炭酸飲料なら豊富だけど」
「ビールばっか飲んでたらお腹たるみますよ」
エイッと言うように言葉を示して俺の腹を摘まんでくる亜豆の指先にはクスクスと笑いながら『くすぐったい』と言って腕を掴む。
視界に捉える亜豆の表情も口元緩んで弧を描いてクスリと笑う物。