だから何ですか?Ⅱ【Memory】
だって、ハッキングだぞ?
それって犯罪だからな?
しかもどこでそんな技術取得したよ!?と当初の目的の【元彼】内容なんか軽く飛んでの疑問が募る。
そんな俺は目に見えてだったらしく、フゥッと小さく息を吐きだした亜豆がどことないところに視線を動かすと、
「私、友達って数える程しかいないんですよ」
「・・・はっ?」
「その中の一人に伊万里さんもこの前会ったかと思うんですけど」
「友達?」
「・・・・ほら、緑の目の」
「大道寺の御曹司!」
『ほら』と言いながら目を指さし分かりやすい詳細を提示されれば俺だってすぐにその検討がつく。
確かにその記憶は新しいと言えるもので、それでも同時に突っ込まざるを得ない言葉が込み上げて、
「って、あれを友達って言うのか?」
「・・・まぁ、その部分の解釈は伊万里さんにお任せします。話も脱線しますよ?」
「はい、続けてください」
「まぁ、その彼がその手の技術に長けてまして。個人情報の入手は勿論、大企業の強固なセキュリティすらあっさり突破できるし、重要機密を盗み出すのもお手の物・・・らしいです」
「らしいです。って・・・犯罪だろそれ」
「本人曰くなので実際それを目の当たりにはしてませんが、そんな経緯で私にも簡単なお遊び程度の技術を伝授してくれたので。・・・まぁ、教わったのは学生時代だしあの頃よりセキュリティ技術は発達してますから教わったやり方はもう通用しないかもですが」
恐ぇぇ・・・。
何が恐いって、サラリ淡々と当たり前の様に犯罪めいた事を語る亜豆が恐い。