だから何ですか?Ⅱ【Memory】
それでも、普通ストーカーしてきた男を好きになるか?
いや、でもあの容姿だし普通の女性の皆さんなら逆にストーカーされて嬉しい物か?
ああ、でも亜豆は普通の感覚とはちょっと違う気もするしな。
むしろあの容姿にさほど魅力は感じないとか言いきってたくらいだし。
知り合ったにしてもどういう心境の変化で付き合うに至ったのだろうか?と、本人に問いかける前に自分なりの答えを求めて無言の思案をしていれば。
「・・・ストーカーと言うより・・・猫みたいな奴だったんですよ」
「えっ?」
まるで俺の思考なんて全て見えるか聞こえるかしている様に、さらりと疑問への答えを口にしてくる亜豆の視線はこちらにない。
落としている視線はシーツを見ているのか、ここにはないまったく別のモノが亜豆の目には映っているのか。
目の前にいるのにどこか別の場所にいるような姿には不安がよぎって、そんな感情に突き動かされたらしい自分の手が亜豆の肌を滑ってその意識を引いた。
視線が絡むとどこか気まずい。
無意識の行動であったために余計にだ。
そんな俺にクスリと笑うと寄り添うに隣に寝そべってほんの軽く唇を啄んできた亜豆。