だから何ですか?Ⅱ【Memory】
今も何を思ってかまっすぐにこちらを見つめ抜いてくる視線に、こちらも負けずに探るようにまっすぐ見つめていたけれど、不意にすぐそばの角から人の気配がして気がそれ視線も逸らしてしまった。
忘れていた。
もう本当に人が動きを見せ始める時間帯だ。
私が自由に動けるような場所ではない。
そう思ってしまえば再び気分も悪くなりそうで、思わず俯いた瞬間に俯いた頭にポンッと乗せられた重みのある手。
「・・・・ココで食うのは落ち着かねぇか。車も通りも増えてきたし排気ガス臭くなるしな」
そんな一言が降ってきたかと思えば再び有無を言わさず抱え上げられた体には素直に驚く。
いや、もうさすがに自力で歩けるし・・・ってかまだ行動を共にする意味が分からない。
もうさ、私の事なんか放っておけばいいじゃない?
何で何で?と思うのにそれを音にする術が見当たらず、もうここまで来たら成り行き任せだと息を吐きだし面倒な思考は捨て去った。
なんか・・・ゆらゆらと揺れるこの感じ気持ちいいし。