だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「小っせぇ公園」
「・・・・・」
ベンチでもしゃもしゃとおにぎりを食べる私の隣・・・、いや、隣のベンチで再び煙草を吹かしている彼のぼそっと放った一言。
さっきからプカプカ、モクモクと・・・煙突か!?
そんな突っ込みを心で入れつつも貰ったおにぎりに舌つづみを打ち見て見ぬふり。
それに、なぜ同じベンチに座らないかというのは、彼なりに煙を気遣っての事なんだと思う。
そうして僅かに身を離し各々の休息をとっていた時間の独り言だたのか。
彼の感想通りに交通量多い大通りから離れ、日当たりもそれほど良くない小さな公園。
遊具だってブランコと砂場とジャングルジムがある程度。
その遊具だって錆びて色あせて、街中の忘れられた公園と言う感じだ。
確かに小さい。
でも、私は嫌いじゃない。
「でも、・・・嫌いじゃねぇな」
「・・・・」
自分が思ったのとほぼ同時だったと思う。
再び独り言のように響いた言葉におにぎりを食べていた手を止めて、確かめる様に視線を動かせば彼の視線は公園の景観にある様だ。
相変わらず害のある煙を漂わせているくせに、公園を捉える横姿はなんだか絵になって引かれてしまう。