だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「俺がつけた跡見られるような事はなかったのかよ?」
「それは、」
「触られてないのかよっ?!」
「・・・・・・・・・」
「無防備に・・・・あいつの事受け入れてない・・よな?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・黙るなよ」
気がつけば至近距離。
感情的に詰め寄って、逃がさんとばかりにまっすぐに亜豆の双眸を射抜いて責め立てて。
どこかで亜豆らしく、俺の不安なんて一瞬で掻き消すような予想外を見せてくれるんじゃないかと期待した。
いつもみたいに肩透かしを食らう様な。
亜豆には敵わないと思う様な。
なのに・・・捉えるのは、らしくない戸惑いに満ちている亜豆の表情。
それに落胆しそうな感情を必死に堪えて期待を継続させていたのに。
「・・・・・・会い・・・ました。・・会って・・話して・・」
「・・・・・触られたんだろ、」
「・・・・・」
最後に自分から結論を口にしたのは精一杯の防御。
一番キツイ事実を自分で音にする方が耐えられると思ったから。
堪えられると思ったけど・・・実際は亜豆から言われようが自分で言おうがキツイ物はキツイ。
自分だけの宝物だと思っていたモノを不用意に触られ穢されたような。
好き故の独占欲。
独占欲故の愛憎というやつなんだろう。
何が辛いって・・・勝手に触られたという事じゃない。
触られるような隙を亜豆の方から作りだしたであろう事実がキツイ。