だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「っ・・・何で・・・触らせるんだよ・・・」



本当にその一言しか出てこない。


俺が如何にあいつを警戒していたか亜豆は分かっていると思っていた。


警戒して、亜豆の身を案じて、護りたいと本気で思っていた。


それは全部亜豆に伝わっていると思っていたのに、最初のあの日から俺の思い込みに過ぎなくて、亜豆はまるであいつに警戒を置いていなかったという事なのか。


考えれば考える程落ち込んでいく思考。


今にも目が回りそうな感覚に堪えるように目元を抑え俯くと。



「・・・触られたって言っても・・・アレはミケのおふざけで、」



ようやくいつもの覇気なく弾かれた亜豆の言葉には、更に悩ましく思って眉根が寄る。


なんだよ、それ。



「おふざけ?じゃあ、この際はっきりしろよ!お前の言う【おふざけ】のボーダーラインはどこなんだよ!?」


「っ・・・」


「キスをされても警戒しない?素肌の体を見られても?触られても?攻め込まれてもお前の危機感は働かないのかよ!」


「ちがっ・・・本当に・・ミケだから!・・本当に・・ギリギリまでおふざけで出来ちゃう人だからっ・・、でも、絶対に無理矢理に最後までする人じゃないからっ・・だから、」


「だから?・・・おふざけなんだからギリギリのラインまで触られるのは大目にみろって事なのかよ?」


「ちが・・う・・そんな事言ってないです!」


「言ってるじゃねぇか・・・」



三ケ月がそういう奴だから信じて抵抗しなかったんだろ?


でも、つまりはまた同じような事があれば大丈夫だろうってまた抵抗しないんだろ?





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