だから何ですか?Ⅱ【Memory】
独占したいなんて我儘にすぎないと分かっている。
自分を棚に上げて束縛しようなんておかしい事も。
だからこそ、抑制できる部分は抑制して、亜豆の在り方に絶対的な否定はなかった。
でも・・・これとそれは話が違うだろ?
「・・・・ネックレス」
「・・・・・」
「三ケ月が持ってるってさ。・・・・良かったな」
「っ・・・い・・まりさ・・」
「帰りにでも取りに行けば、」
「っ・・・」
俺とわざわざ新しいの買う必要もないだろう?
音にはせずともその言葉も亜豆には伝わったらしい。
嫌いになりそうだと本心を口にしてしまえば面白い程燃え尽きてしまったらしい自分。
これ以上言いたい事はないと、ゆっくり体を起こし思いだしたように告げたネックレスの所在。
大きな目を見開いたまま『違う』とでも言いたげに僅かに首を左右に振る亜豆に、自分でもどういう意味なのか分からない笑みが僅かに浮かびそのまま離れた。
たん、たんと自分の足音が嫌に大きく響くと感じる。
あんなにどうしようもない葛藤に苛まれていたのに今は逆に感情を抱く方が困難で、漠然と歩みを進めてエレベーターに向かう。