だから何ですか?Ⅱ【Memory】





ズキズキと痛む頭とチカチカと眩む目。


そんな思ってもみない衝撃には呆けていた思考もまともに戻るというもの。


センチメンタルなんて感覚もどこかに飛ぶわ!


本当にこいつだけは何を考えてどんな事をしてくるかわからねぇ!!


何考えてるんだ!?と、痛む体に対しての苛立ちもあって眉根を寄せる。


食らいつく様なキスに今は溺れる気もなければ、そんな雰囲気でもなかった筈だ。


いい加減にしろ!と阻むように自分の手を挿し込み始めると、こちらが押し返すより早くパッと離れた顔の距離。


それでも入れ替わるように自分の両頬にぱちんと音を立てながら添えられた亜豆の手。


これも地味に痛ぇよ。


何なんだよもう・・・。


と、叩かれたような衝撃に反射的に閉じた目蓋を開き非難の目を向けたというのに。



「っ・・・亜、」


「嫌いだって言うなら・・・、

また、好きになってもらうだけです!」


「っ・・・・」


「違う・・・、伊万里さんからの好意なんてどうでもいい!」


「・・・・・・・・はぁっ!?」


「伊万里さんが私を嫌いでも、私が伊万里さんを好きなんです!伊万里さんを好きでい続けるんです!ただそれだけです!!」


「・・・・・・・・」


「伊万里さんに伝わらなくても・・・いつだって好きなんです」



いつだって・・・亜豆は亜豆だな。


まっすぐに自分の意志を曲げない。


まっすぐにこちらを見つめる眼差しは微塵も揺れない。


ああ、でも・・・視線は揺れずとも滲む涙で瞳は揺れてるな。




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