だから何ですか?Ⅱ【Memory】
はっきりと自分の望む要求を簡潔に答えたと思う。
こういう事だろう?と自信を持って彼の視線に対峙して、動きを見せなかった双眸がようやく静かに瞬きを見せたかと思うとゆっくり椅子に座り直した姿。
「お前、無駄に考えるタイプだろ。効率が悪い」
「亜豆曰く恋愛に関しては劣等生らしいです」
「・・・面白いな。あいつとは真逆な性質だ。いや、真逆だからこそ惹かれるのか」
相変わらず表情に愛想なんて物は見えない。
全てが精巧に出来た端麗さのせいもあって、あちらからすればただの無表情のつもりでもこちらは鋭く感じてしまうのかもしれない。
でも、さっきよりは確かにその鋭利さが薄れたと思う。
亜豆の事を自ら語りだしたのはこちらとしては安堵していい展開なんだろう。
「一応言っておくが、俺は予定がある。その予定を割いて今の時間がある。詳細を語りたいなら簡潔に。だが、聞いたところで協力するかどうかは別の話だ」
「勿論、それはそれで説得を・・、」
「無能、」
ああ、そうだった。
いいから早く説明しろって事ね。
段々とこのやり取りのペースを掴み始めた。
どかりとソファに身を預けて座る王様は要点以外を必要としない。