だから何ですか?Ⅱ【Memory】
拘束と言っても大したものじゃない。
赤いロープでがっちりグルグルに巻かれ天井から吊るされてたら私も焦りの一つでもするだろうけれど。
実際はそこら辺に売られているようなロープで手首だけを拘束され、そのロープの端がベッド近くの家具に固定されているだけ。
しかも腕が傷つかないようにの気配りらしく布地の上から縛られている。
こんなところで紳士らしさ発揮されてもな。
とりあえず腹筋を使えば起きられなくもないと、よいしょと少し勢いをつけて体を起こし部屋の内観を改めて見渡した。
「・・・・うわ、高そうな部屋」
「リオの為に大奮発~」
「気前のいい誘拐犯さんだこと」
どうせなら縛られるような状況下でなく楽しみたかった贅沢さだと、ひたすらに冷静な感覚で周りを見渡していると。
静かに近づいて来ていたミケがのそりとベッドに手をつき、それこそ猫が近づく如く四つん這いで私と距離を詰める。
それに後退するでもなく、『何?』と平静のまま至近距離に寄った水色の双眸を見つめた。
酷く危うい距離間だというのに動じる自分はない。
そんな私を予想済みで理解していたミケだろうけれど、まさにその通りすぎてなのか綺麗な弧からクスリと音を漏らす。