だから何ですか?Ⅱ【Memory】
白く綺麗で滑らかな肌質の頬にそっと触れて、指の腹を静かに滑らせるとまずは表情で問いかけられ、
「リオ?・・・何?」
「ミケが泣いてるから」
「泣いてないけど?」
「じゃあ・・・私にしか見えない涙を拭ってた」
「っ・・・・」
「私への【好き】を一つでも取りこぼさないように・・・拾ってた」
「・・・・・」
「【懺悔】って言う告白の甘さに浸ってた」
あの時は繋ぎとめることに必死で、それに気がついていながら認めず誤魔化し蓋をした愛情の言葉。
どんなに歪んで綺麗とは言えないそれでも、愛情によって生じたものだから。
私をどこまでも想っていてくれたが故の歪みは関係を失った今だからこそ純度を取り戻して愛おしいと感じる。
そして私も・・・そんな物を持ち合わせている。
「懺悔します、」
「・・・・」
「あなたに見せていた私は偽物でした」
「リオ?」
「ひたむきで純粋で綺麗な初恋に活きてた私は偽物だった」
「っ・・・・」
「・・・・いつの間にか・・・偽物になっていたのに本物だと偽った。そんな自分が許せなかったし認めたくなかったし・・・なによりっ・・・」
「・・・・・何?」
堰を切ったように感情が言葉になって溢れたというのに、この先を言うべきかと自分で抑制して言葉に詰まる。
なのに、続きを求めるように唇に触れて、もどかし気な表情で覗き込んでくるミケの姿には抑制も溶けて消える。