だから何ですか?Ⅱ【Memory】
言われたくないと拒んでいるのに言う私はやっぱり残酷?
「私の初恋を生かしたまま愛そうとしてくれたミケを好きだった」
「っ・・・・」
「それを・・・認めたのも・・・伊万里さんとつきあったから」
「・・・・・・」
「本当の伊万里さんとつきあって、・・・キスして、抱かれて、お互いを見て認める恋をして・・・やっと・・過去の恋と過ちを受け入れたの」
未だに視界を覆う手の向こうで、どんな表情で、どんな心情で私の残酷な告白を聞いている?
視覚を奪われた事で聴覚が研ぎ澄まされて、時折苦しそうに吐きだされる息の音が自分の胸を締めつけにくる。
ミケも馬鹿なら私も馬鹿だったの。
どちらも・・・偽装をやめればよかったのだ。
「どんなに伊万里さんを想像して被せてもそれは似ても似つかない紛い品。本人を知れば余計にそう気がついたし、」
「っ・・・」
「同時に・・・はっきりと・・・ミケが見えた。愛してくれたのも、愛したのも、伊万里さんを模したミケじゃなくてミケその人だった」
「っ・・残酷だね・・・・それに・・今更・・だよ」
「・・・・・・今更・・よね」
知ってるよ。
今更過ぎて、でも今更だから認めて吐きだせた事で。
過去形になったからこそ冷静に捉えて素直に言えるの。