だから何ですか?Ⅱ【Memory】



ああ、でも・・・どうせまだミケの手に覆われたままであったか。


どちらもどちらの表情を読まないし読ませない言葉の響きのみの時間。



「・・・信仰している神様。すり込みの親鳥」


「・・・・えっ?」


「・・・・リオからした伊万里の存在の象徴」


「・・・・・」


「その二つって・・・絶対的だと思わない?特に・・・何もなかったリオにとっては」


「・・・・・」


「どっちにしろ・・・、お互い素直になっていても結果は同じだったんじゃないかと思うんだ。遅かれ早かれ・・・リオの中の伊万里の存在に俺が負ける」


「ミケ、」


「最初から・・・伊万里の存在を利用した時から負けた恋だったんだよ。リオのひたむきな想いを受ける対象に成りたいと思いながら矛盾してリオの視界を覆って誤魔化して。・・・こんな風にね」




ようやくクスリと響いた笑い声。


それでもいつもより力のない、心の伴わない音の響きは虚しく感じる。


寂しい寂しい寂しい。


そんな訴えをされているようで、本当は抱きしめて撫でてほしいのを我慢して素っ気なく見せてる猫の様で。


そうか・・・気まぐれな猫という印象さえもがミケの作り出した逃げ道?


いついなくなるのか、執着なんて見せることなく、気分のままにふらりとどこかへ行ってしまう様な。


そんな姿を見せる事で不安を煽って、傍にいてほしいと縋りつく反応を望んでいた?


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