だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「っ・・・・ミケ・・・抱き締めたい」
「フッ・・・何それ」
「抱き締めて、・・・撫でて・・ミケが好きだって示してあげたいっ・・・」
「・・・やめてよ。・・・そんなんされたら・・・普通に襲うから」
嗚咽混じり。
ポロポロと涙を零し息も乱して吐きだしたのも今更だと言える欲求なんだろうか。
愛情だけども過去とは違う。
扇情的な意味合いではなく、ただ無性にそうしてあげたくなったんだ。
過去にミケが私にしてくれたように。
「ベッドで縛られて泣く女の子・・・襲いたくなるから煽らないでよ」
クスクスと響く笑い声はさっきよりかは感情が伴う。
それでも悪戯な言葉の響きにはまだ追いつかず、ようやく静かに視界を覆っていた手を退かされ捉えた表情も力のない笑み。
「っ・・・酷いのはどっち、」
「フッ・・・何?何が言いたいの?」
「襲う気なんて微塵もない癖に!私から見放されたいって言う癖に構ってってばかりに絡んできて!どうせ『嫌い』だって言ったって同じなくせに!そんな言葉の響きで解消する葛藤じゃない癖に!欲しいのは今更な私の恋心じゃない!」
「・・・・・・」
「・・・・欲しいのは・・・【完全なる負け】・・・でしょ?」
『違う?』と、睨むように見つめ上げるのに落とされるのはどこまでも優しい水色の眼差しと緩やかな笑み。
そして・・・頬の涙を拭ってくれる指先。