だから何ですか?Ⅱ【Memory】
ほら・・・『嫌う』なんて到底無理。
こんな風に所々で優しさや甘さを落としてしまう癖に、分かりやすい悪役を気取って嫌われようと思っても無理なのだ。
「・・・そうだよ」
「・・・・・」
「欲しいのは完全なる負け。見せつけて、打ちのめしてほしいだけなんだ俺」
私の言葉を肯定して、肯定して音にした瞬間に箍が外れたらしい。
一つ音にしてしまえばどんどんと内に溜めていた鬱憤が込み上げてきたのであろう。
今までの笑みを消して、不満げに眉根を寄せるミケが『あ~っ』ともどかし気な声を切りだしの様に響かせた直後、
「負けて当然だって、勝てる筈がなかったんだって見せつけてほしいんだ!伊万里にもリオにも!帰国が決まって、2人が上手くいってるなんて確信はなかったよ?まだ片想いで頑張ってるなら応援しようと思ってて、上手く関係を持っていたなら俺なんかのそれは敵わなかったんだってとことん打ち負かされたかった。なのに・・・っ・・わかる?!この凄い中途半端なモヤモヤ感!」
信じられない。
そんな表情で顔を歪め、何かを確かめる様に両手を見つめながら声を張ったミケには複雑な表情しか返せない。