だから何ですか?Ⅱ【Memory】
身体がいくら快楽に悦んでも心や頭はどこまでも拒絶しているんだと分かる。
ミケの事が嫌いなわけじゃない、ミケ本人に嫌悪なんて感覚はない。
それでもこうして触れていいのは、
欲求のまま貪っていいのは、
「っ・・・たしに・・・触んな!!」
「っ・・・」
「触るなっ!変態っ!!強姦魔っ!!勝手に人の身体気持ち良くすんなっ!!」
「ちょっ・・リオそこまで言う?酷くない?しかも気持ちいいなら別にいいじゃない」
「良くないっ!!減るっ!!あげたくないっ!味見程度の一口だってあげたくないっ!」
だって、・・・ダメ。
あげたくない。
過去に散々あげた物かもしれないけれどもう駄目だ。
だって、もう・・・。
『俺だけの特許』
「っ・・・私は___」
「亜豆ぃぃぃ!!」
バタン!と大きく響いた乱暴な扉の開閉音と同時、苛立ち全開に響いたのはまさに頭に浮かべていた姿のものと一致した。
叫びながら室内に入り込んだ姿が一瞬探す様に視線を動かし、その中に私たちの込み入った姿を捉えれば映った現状に僅か固まった。
でも、驚愕を見せた顔は長続きせずすぐに憤怒と言えるものへと変る。
まっすぐに勢いよくこちらに足を進め、瞬きを忘れた鋭い攻撃色の双眸は私達というよりかはミケのみを捉えて向けられている。
伊万里さんがここまで詰め寄るまでに物の数秒だろう。
あっ、と思った時には間近に迫っていた伊万里さんの手が降り上げられていて、振り下ろされたのも同じく一瞬の出来事だ。
刹那、鈍い音が部屋中に響いて緊張感がピークに達した。
・・・・わけではなく。
いつの間にかキツク閉じていた目蓋の開け時が分からない。
予想していた様な鈍い音もしなければ倒れ込む音や振動すらないのだから。