だから何ですか?Ⅱ【Memory】



最後の別れと言ったらきっと大げさ。


でも、節目の様な一瞬にこちらからは声を発することが出来ず、綺麗な宝石の様な水色が自ら意識を逸らすまで静かに成行きを見守っていた。


そう長い時間ではない。


フゥッと静かな息遣いが鼓膜を微かに震えさせたかと思うと、気が済んだようにふわりと笑って見せた三ケ月が『そうそう』と言いながらポケットを漁り始める。


今度はなんだ?と、煙草を吸いながら眺め待っていると、取り出された流れのままポイッと投げられたそれに僅か焦って手を伸ばす。


まぁ、落としてもベッドの上で壊れる様な事はないだろうが。


上手い事手に収めたそれを改めて確認すれば何やらダマスク柄の小さな袋。


その中に四角く硬い何かが入っているのは得る感触で分かる。



「なんだコレ?」


「リオが俺に誘拐された理由かな」


「はっ?」



これが?コレの為?と、改めてまじまじと色々な角度からそれを確かめる様に眺めてしまう。


何がどう特別なのか?


そんな事を思っていれば、そんな俺をクスクスと笑う声が響き、



「中身が気になる?」


「・・・お前な。思って無かったとしてもそんな誘導的な言葉言われたら気になるに決まってる」


「見てもいいよ」


「あっ?そうなのか?」


「その代わり、リオとの関係が大きく変わるかもしれないってリスクが対価かな」


「っ・・・」



危ねぇ。


うっかり軽い感覚で開けなくてよかった。




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