だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「___っ酷い、」
「・・・・・」
「押し倒して抱きつぶしたいくらい伊万里さんが愛おしいのに動かせない体が憎らしい・・・」
「はいはい、期待通りの亜豆っ節どーも」
ほらな、心配するだけ無駄ってもんだ。と起き抜け早々に亜豆らしい葛藤で悶えてる姿にフーッと煙を噴きかけた。
それには目を細め手でパタパタと煙を払いながら怠そうに枕を抱きしめる姿。
「仮に万全でもお前が俺を抱きつぶせるかよ」
「そうですねぇ。伊万里さん恋愛下手な癖に何故か性的な方は床上手と言うのか・・・お強いですもんね」
「お前、それ褒めてるの?貶してるの?」
「・・・どっちもでしょうか?」
「別にいいけど、」
全く悪びれず、両方否定もしなければ肯定も仕切っていないような。
俺が言うのも何だけど、こうなるのは予想済みであったけれど、あんな事をされた後とは思えない程いつも通りの姿には呆れを通り越して感心してしまう。
気怠く重そうな身体をなんとかのそりと起き上がらせた姿が乱れた髪を掻き上げ横に流し、そのまま俺を見ずに手を伸ばすと咥えていた煙草を奪う。
流麗だと見惚れる一貫の流れ。
起き上がらせ露わになった白い肌とそこに散らばる無数の赤とのコントラストはその雰囲気の魅力を増加させている。
唇を彩っていた薄紅が乱されはみ出し広がる口元さえ艶っぽさを彩るアクセサリー。
その口元に運ばれた煙草と数秒後に吐きだされる紫煙。