だから何ですか?Ⅱ【Memory】
亜豆から捉える俺の後ろ姿は不貞腐れたモノなのか。
クスクスと笑った声が響いた直後に背後に忍び寄り絡んできた細腕には表情ばかりは不機嫌に歪め、内心ではその温もりに安堵する。
「妬いてますか?」
「妬くっつーより・・・面白くない」
「フフッ・・・」
「だってそうだろ?お前の初恋の相手の為にこうして振り回されたようなもんじゃねぇか。しかも俺との予定バックレて」
「そんなつもりは。ちゃんと待ち合わせに間に合うつもりで動いてたんですけどね。ミケに警戒もおいてたし」
「攫われてんじゃねぇか」
どこが警戒?無防備だったんじゃねぇの?と、軽く振り返り背後の姿を非難するように見つめると。
「コーヒーショップで席に着いたとこまではかなり警戒おいて、飲み物にも口つけずで頑張ってたんですけどね」
「それで何で攫われたんだよ?」
「『なんか付いてるよ』と、近づけられたハンカチがどうやら原因かと」
「・・・まぁ、人の目のあるとこでまさかそんな大胆な事してくるとは思わねぇわな」
「はい・・・迂闊でした」
どんな薬を仕込んだやら、意識を奪ってしまえばその後連れ出すなんていくらでも体調不良とか自作自演も出来、周りの人間もまさか自分の傍で誘拐事件?などと不信には思わないだろう。