だから何ですか?Ⅱ【Memory】



攫われたいきさつはそれでよく分かった。


色々と残る不満はあれど亜豆が言うようにこの騒ぎのケリはついたと言える今なのだろう。


亜豆の意識もあるようやくの終幕。


そう終止符を自分の中に打ち出せば、



「・・・・・あ~~、」


「・・・伊万里さん?」


「ギブ、寝る」



もう疲れたのよ、倒れたいのよ。と、煙草を亜豆の口に挿し込むとそのままばさりとベッドに倒れ込む。


手探りで枕を引き寄せ抱きしめて、顔を埋めて目蓋までを閉じればそれを良しとしない亜豆が『ちょっと!』と慌てたような声音で身体を揺すってきた。


それには目蓋も開けず『ん~?』と覇気のない声のみで反応を返す。



「私起きたのに寝ますか!?」


「むしろお前が寝てる時にずっと起きてたんだっつーの」


「ちょっ、嫌です、寝ないでください!」


「お前ねぇ、俺がお前探してどんだけ動き回ったり精神的疲労伴ったと思ってんの?」


「そこは私をめちゃくちゃに苛めた事で清算ついたでしょう!?」


「じゃあ、いいじゃねぇか。虐めっつー形で構い倒してやったろ?



「せっかくこんないい部屋で2人きりですよ!?滅多にない機会なんですから高いワインでも飲みながら語り合いましょうよ!」


「・・・・・・・・・あ、」



高いワインで思いだした。


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