だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「どうしました?寂しくなりました?」
「逆だ。・・・寂しそうに見えたっていうのか、」
「私は・・・寂しくないですよ。少なくとも今この瞬間の私は」
「・・・・本当か?」
「はい。もし寂しそうに見えたのならそれは多分・・・私が思いだしてた過去の私に対してじゃないでしょうか」
「寂しい・・・過去なのか?」
「・・・・・どうでしょう?人の捉え方次第だと思うんですが。価値観がまるで違う人からすればひたすらに寂しく見えるかもしれないし、同じ境遇の人からはそれでいいじゃないかと言われるかも」
「・・・はぐらかしたい?」
「フフッ、そんなんじゃないですよ。ただ、過去は過去で、どんなに寂しいと言われるものだったとしても今の私はそれを経て満足だと笑っているんです。なのに敢えて過去に意識をおいて可哀想に慰めても無意味だと思いませんか?」
「・・・・まぁ、・・・そうなんだけどな」
そう言われてしまえば『確かに』としか返しようがない。
それでもどこかはぐらかして感じてすっきりとしない。
俺からというより・・・亜豆自身があまり思いだしたくないと仕舞い込んでいるような。
いや、確かに、わざわざひっくり返しても過去は過去で今更介入できることでもない。
何を言おうがしようが今の亜豆には意味もなく無用のものであるのかもしれないけれど。