幸せの種


試験の最中も、各教科ごとにまとめられた琉君からのアドバイス通り、落ち着いて問題を解くことができた。

時間の配分を考え、わからなかったり、迷ったりした問題は印をつけて飛ばす。

飛ばす問題が多くなってくると、不安が頭をよぎる。

それでも、私がやっていることは間違っていないと、琉君から背中を押されているような気分でそのまま進めていく。

ポケットに入れた『うさぎのしっぽ』を、時々服の上からぽんぽんと触って、おまじないもかけた。

どの教科も、時間が足りなくなることはなく、自分の力を出し切ることができたと思う。

家族の支えがなくても、私には大事な人からの強力なサポートがあったおかげだと、ありがたく感じた。



筆記試験がすべて終わり、開放感に浸りながら公衆電話に向かう。


『もしもし』

「今、終わったよ。ノートのお蔭ですごく頑張れた」

『そっか。良かったな』

「うん、ありがとう」

『明日の面接も頑張れよ。信じてる』

「私も、信じてる。じゃあね!」




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