幸せの種

陽平はさっきの会話を思い出し、母親を赤ちゃんに取られそうに思っている千花にアドバイスをした。


「大丈夫。ちーちゃんはきっと素敵なお姉さんになれる。お母さんは赤ちゃんのお世話で大変だと思うから、ちーちゃんに色々手伝ってもらったら、きっと感謝されると思うよ」

「うん……がんばる」


そう言いながらも、不安でいっぱいの表情を浮かべた千花に、穂香が優しく語りかけた。


「ちーちゃん、あのね、赤ちゃんのお世話ってホントに大変で、お母さんは寝ないでおっぱいをあげたり、オムツを替えなくちゃならないの。お母さんは眠たくても必死に頑張ってる。だって、お世話しなきゃ一日で死んじゃうもん」

「……そうなの?」

「そう。たった一日放っておくだけで死んじゃう。だからね、今、ちーちゃんがこうやって元気に生きているのも、私がこうして働けているのも、お母さんが頑張ってくれた証拠なの。ちょっとの間、お母さんが赤ちゃん優先になるのは、仕方がないことだと思ってね」

「うん……わかった」

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