幸せの種

ミーナちゃんは琉君と同じ中三で、女子中学生のボスだった。

わたしから見ると、とにかく怖い。

前まで同じ部屋だったけれど、今は違う部屋になれてほっとしている。

同じ部屋だった時、何度おやつを盗まれても何も言えないわたしに対して、やることがどんどん酷くなってきていたから。

わたしは叩かれても蹴られても我慢するしかなかった。

だけど、脱走の手助けをするように言われて、それだけはできないと断った時、コンパスの針を腕に刺された。

あまりの痛さに叫んだら、やっと先生が助けてくれて、ミーナちゃんの部屋は先生方の仮眠室の隣に移された。


今でもその傷跡が残っているけれど、ミーナちゃんから離れられたから、これで良かったと思っている。


ミーナちゃんは中学校でも誰かの物を盗んだり、物を壊したり、脱走なんて当たり前。

先生方もそれが解っていて、色々と対策を練ってくれている。

けれど、裏で他の女子を操っていて、自分は手を下さないから余計にたちが悪い。

早くミーナちゃんから開放されたい。

わたしはそれを願っていた。

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