幸せの種
「ん? ちょっと引っかかるなぁ。『そっくりなのに』っていうところが」
「ごめんなさいごめんなさい。悪気はないんです。でもマジで可愛い!」
「まあ、可愛いって言ってくれたから許す」
「先生のことじゃないって」
「やっぱり許さない」
そんな軽口を言い合いながら、琉君と高橋先生も仲良くリビングへ。
そこから階段で二階に案内された。
「こっち側がちーちゃんのお部屋」
「可愛い……ここは、もしかして、まほちゃんのお部屋じゃないですか?」
「うん、いずれそうしようと思っているんだけど、今は遠慮せずに使ってね」
「ありがとうございます! それで、琉君は?」
「琉君は一階の客間ね。まだひなたの部屋は準備していなくて、ベッドもないから」
二階には三部屋あって、ひとつがまほちゃんの部屋、もうひとつがいずれひなた君が使う予定の部屋、そして寝室だった。
一階はリビング・ダイニングと書斎、それに客間があった。
わたしも大人になったら、こんな家に住みたいなという理想の詰まったお家だった。