幸せの種

「それじゃあ、落ち着いたところで、ちょっと食料品を買ってくるから、ちーちゃん、一緒に行かない?」

「行きます!」

「じゃあ、子ども達と琉君とパパはお留守番をお願いね」

「了解。気をつけて」


わたしは穂香先生の運転する車に乗って、近くのスーパーへ。


「ちーちゃん、今夜は何が食べたい?」

「えっと……まほちゃんの好きな食べ物って何ですか?」

「まほは何でも食べるけど、特に好きなのは手巻き寿司ね」

「じゃあ、わたしもそれで! だって、学園ではなかなか食べられないし」

「そうね。それじゃあ、お魚コーナーへ行こう!」


普段、買い物はめったにすることがないわたしのために、穂香先生は色々と教えながら買い物を進めていく。


「牛乳とか生鮮食料品は、奥に新しい商品があると思っていいから。すぐに食べない・飲めない時はできるだけ奥にあるもので日付の新しいものを選ぼうね」

「はい!」

「お肉も部位によって全然食感や脂身が違うから、何を作るのか考えながら買うの。今回はザンギ(北海道名物・鳥の唐揚げ)を作るから、モモ肉か胸肉を選ぶでしょ。ガッツリ食べたい中学生男子と、そろそろ中性脂肪が気になるアラフォー男性がいるから、胸肉にしておこうかな」

< 92 / 175 >

この作品をシェア

pagetop