幸せの種
穂香先生はとても幸せそうに、高橋先生のことを話してくれた。
わたしがショートステイを経験し、正式にちしま学園に入所したころ、穂香先生はとても悩んでいたらしい。
大学で勉強したことが何も役に立たず、途方に暮れていた。
泣いてばかりいるわたしのこと、言うことを全く聞かない中高生のことなど。
特にわたしのことは、カウンセラーの高橋先生がとても親身になって相談にのってくれたという。
わたしのことを色々相談するうちに、仲良くなって、クリスマスイブに高橋先生から告白されたそう。
わたしも覚えている。
学園の庭の雪が解け始めた頃、二人が結婚したことを。
新雪のように真っ白なウエディングドレスを着た穂香先生の写真は、とても綺麗だった。
隣で笑う高橋先生が、いつも以上に優しい目をしていたことを。
「そっか。わたしってもしかして、穂香先生と高橋先生の結婚のきっかけになった?」
「うん。そういうこと」
ハンドルをしっかり握りながらも、照れたように笑う穂香先生が可愛いなと思った。