幸せの種

「何ていうか……? その続きは?」


穂香先生はさらに追及してくる。


「えっと、お兄ちゃんみたいっていうか、多分琉君はわたしのことをそういう目で見ていないだろうって思って」


そう、琉君はいつもいじめられている私に同情して、色々と助けてくれているだけ。

空気になりきれないわたしがいじめられた時、ささっと吸い込んで、わたしの毒や痛みをキレイにしてくれる、空気清浄機のような人。

安全で、パワフルで、静かな空気清浄機の琉君。

わたしはいつも琉君に甘えてしまう。

だから、琉君にとってもわたしは、できの悪い妹でしかないはず。

ショートステイの時期を含めたら、もう七年も一緒に暮らしている。

本当のきょうだいみたいな関係だった。

「帰りたい」と泣き、「いじめられた」と泣き、「空気になれなかった」となげくわたしをずっと見られているのだから、今更恋愛感情なんて持てないに決まってる。

なのに。


「じゃあ、ちーちゃんは琉君のこと、ただのお兄ちゃんだと思ってるのね」

「……」


そう穂香先生に聞かれ、即答できない自分に戸惑った。

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