幸せの種
「ああ、いいのいいの、今、無理して答えなくてもいいし、ここでの話はオフレコね。だから、私と高橋先生の恋バナもみんなには内緒にしておいて。まあ、琉君には言ってもいいかな」
茶目っ気たっぷりに、穂香先生が笑った。そして。
「ただね、今から大事な話をするから絶対に覚えておいて」
「はい……」
「もしも、琉君がちーちゃんのことを好きで、ちーちゃんも琉君が好きだったとしても……付き合うのは学園を出てからにしてね」
「……はい。それはもちろん、解ってます」
「ごめんね。嫌な気分になっちゃったかも知れないけれど、これだけは伝えたかったの。私達は今まで色んな学園の子を見てきて、幸せに生活している子と、残念ながら不幸な結果になって、親子代々ちしま学園の子になってしまう、なんていう子もいたから」
「はい」
「だから、ちーちゃんも男の人からぐいぐい迫って来られても流されないで。人生の楽な方に流されているように見えるかも知れないけれど、大抵そういう場合はハードな未来が待っている方へと流されてしまうから」